masquerade0324のブログ

とある大学院生のメモ書き

桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」

桜庭一樹の「赤朽葉家の伝説」を読みました.第60回日本推理作家協会賞を受賞しているそうです.

赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)

赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)

赤朽葉家という旧家に生きた・生きている三代に渡る女性の物語です.かつ,推理小説でもあります.

赤朽葉万葉,赤朽葉家毛毬,赤朽葉瞳子という順番で物語は進んでいきます.語り部は赤朽葉万葉の孫であり,赤朽葉毛毬の子である赤朽葉瞳子です.

推理小説ではあるのですが,実際推理小説としてはものすごく簡単です.普通に物語を読み進めていけば,謎は難なく解けると思います.謎というほどでもないかもしれませんが.

それよりも,この物語自体がとてもおもしろいです.万葉,毛毬だけでなく,赤朽葉家を取り巻く人々の個性的なところ,そして赤朽葉家に関わる死に惹きつけられます.

なるほど,久しぶりに物語自体が純粋におもしろい作品を読んだ気がします.村上春樹のはまたちょっと違うというか,あまりにも人の内面を描こうとしているか.それはそれで別ジャンルでおもしろいのですが,これは物語や人物がおもしろい(興味深い)という作品でした.

桜庭一樹はこういった物語自体のおもしろさを読ませてくれる作家だと思っています.いや,まだ読んでない本がいくらでもあるので,自分が読んだ中ではということですが.あと,桜庭一樹は女性のため,やはり女性目線の女性の描写がとても良いです.男性作家の作品ばかり読んでいる気がするので.

大変おもしろい作品でした.