masquerade0324のブログ

とある大学院生のメモ書き

岡崎琢磨「珈琲店タレーランの事件簿2 彼女はカフェオレの夢を見る」

岡崎琢磨の「珈琲店タレーランの事件簿2 彼女はカフェオレの夢を見る」を読みました.

珈琲店タレーランの事件簿の第二作目ですね.第一作目も読み,続きが出てくれたらなと思っていただけに,いつの間にか書店においてあったときは驚きました.

さて,第一作目と同様に,切間美星バリスタがその頭脳をもって日常の謎を解いていく,というお話です.もちろんロックオン・カフェのアオヤマさんも出ますよ.語り手ですしね(笑)

この人の作品は,やはりというか,若干ハラハラさせる展開があるんですよね,そこがいいです.日常の謎を扱っていると,どうしてもインパクトにかけるというか,話が単調になりやすい傾向があると考えています.考えてみれば当たり前で,だからこそ多くの推理小説は殺人事件というものを扱うわけです.日常の謎を扱うにはそういった難しさがある中で,この作者のタレーランの話には影がチラリと見えるような表現が色々とあるわけです.正直読み進めていって,「えっ?嘘だろ?」と思うことがありました.おそらくまんまと作者の術中にはまったのでしょうね.それがうれしいというか,おもしろいですね.

もちろん,この作品はそれだけでなく,キャラの魅力も際立っています.日常の謎を扱うことの多い米澤穂信作品でも言えることですが,キャラが立っているからこそ日常の謎が取り扱えるのかもしれません.美星バリスタのミルをコリコリする姿が大変印象的で,よく探偵が推理をするときに決まった行動をとるということと相まって深みが増しています.さらに,一癖も二癖もあるアオヤマ,彼が語り手のため,素直に地の文を読み取れないということがまたおもしろいです.彼ならではでしょう.

というように,今回もおもしろかったです.

ちなみに,Amazonのレビューでは意見がとても散っていておもしろいなと思います.私はあてにしませんし,そもそもだいたいの作品をおもしろく読めるという馬鹿なのかそれともラッキーな人なので.何が言いたいのかというと,他人にとて良かろうが悪かろうが,やはり他人の意見でしかないので結局は本人が読んでみて判断するしかないということです.レビューが良くないから読まないというのでは,ただの食わず嫌いですし,他人と同じセンスの人は二人としていないと思うので.読んでみて「あーやっぱりつまらなかった」と思うことも,またそれはそれでおもしろいと思います.